みのり通信2020年6月号|佐賀市で歯医者をお探しならみのり歯科診療所へ

みのり歯科診療所

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INFOMATION

みのり通信2020年6月号

INFOMATION2020.06.01

みのり通信6月号

休診日カレンダー6、7月
「院長より」
紫陽花が色づき始めました。
雨に濡れた紫陽花、美しいですね。
この数か月間、新型コロナウイルスのニュースばかりで、周りの風景もほとんど目に入らなかったような気がします。
佐賀県でもようやく緊急事態宣言が解除されて、日常が少しずつ戻ってきたようです。

ゴールデンウイークの時は保険請求事務でほぼ毎日医院で仕事をしていましたが、驚くほど車が走っていませんでした。
帰宅する際も町がとても暗くて驚きました。
今までに経験したことのない光景でした。
子供たちが通学する姿を見て、今まで当たり前だと思っていた生活が本当にありがたいと思えるようになりました。
佐賀県でクラスター発生の報告があって、緊張感が漂っていた頃、実はとても嬉しい報告がありました。
半年ぶりにメンテナンスに来られた患者さんのお話です。
好生館のICU で働いている彼女は、高校生の時から通ってきてくれています。
「口腔環境が悪いと2 次感染で肺炎のリスクが高くなるから、患者さんに舌磨きもしてあげてね。」と話したら、「ここに来た時にいつも先生や衛生士さんから歯磨きと舌磨きの話を聞いていたから、入院している患者さんには朝、舌まで磨かないと朝食を運ばないようにしています。
後輩にもそのように教えています。」と語ってくれました。
第一線で活躍している看護師さんからの力強い言葉にとても嬉しくなりました。
チェアサイドでの説明をしっかり受け止めて、担当患者さんのケアに生かしてくださっている姿に彼女の成長と、私たちの仕事が報われたように感じた瞬間でした。
ところで、相互感染を防ぐために待合室の本やおもちゃを撤去しています。
実にすっきりした光景で、開業したばかりの頃を思い出しました。
やっぱり物は少ない方がよいと、院長室の散らかった状態を反省して、改めて断捨離の必要性を感じました。
また、メンテナンスに来られた患者さんから、「ちょっとお話が」と言われ、何か不祥事があったかなとドキドキしていたら、飴をくださいました。
「アマビエ」という妖怪の金太郎飴でした。アマビエとは江戸末期に「病気が流行したら自分の姿を写して人々に見せるように」と伝えて海中に消えたと伝えられている妖怪で、ゲゲゲの鬼太郎にも登場しているそうです。
アマビエ
SNS上で流行しているということを聞いたことがありました。
この金太郎飴がとても売れているそうで、人は何かにすがりたくなるものなのでしょう。
何かと暗いニュースばかりの毎日でしたが、出勤前に見たテレビ番組で東京の中華料理店が毎日500 食のお弁当を昼と夜、無料で配っている光景が放送されていました。
20 年ほど前に来日した中国人の店長さんが、「今まで日本人にとてもお世話になったし、武漢でコロナが猛威を振るっていた時にたくさんの医療物資を中国に届けてくれたからご恩返しです」と話しておられました。
食材やトレーなどで一日10 万円かかるそうです。頭が下がりました。
昨年凶弾に倒れた中村哲医師の「人は愛するに足りて、真心は信ずるに足る」という言葉を思い出しました。


「健康お役立ち情報」

緊急事態宣言が解除されましたが、まだワクチンが開発されていないため感染の危険は依然として続くのでしょう。
3 月末に鶴見大学教授の花田先生のセミナーを受けた際、「舌磨き」の必要性を示され、この2 か月間皆様にお伝えしてきました。
花田先生が福岡市民に向けた「口腔清掃の重要性:ウイルスに負けない未来のために」というメッセージが福岡市歯科医師会のホームページに掲載されていましたのでご紹介します。

「インフルエンザの流行に毎年悩まされてきた私たちに、今年から新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の脅威が加わりました。このウイルスは感染力が強く、都市での活動とウイルス感染防止の両立は容易ではありません。
手で顔を触らないこと、手洗いをすることが感染予防の要点です。
しかし感染予防だけでなく市民の皆様にはこの感染症が口腔細菌との混合感染で重症化することに着目していただきたいと思います。
ウイルスと細菌の混合感染によるダブルパンチが危険なのです。
その理由を簡単にご説明します。
口腔清掃をしないと細菌に由来する様々な毒性物質が歯肉上皮細胞を破壊します。
これが日本人の8 割が罹患している歯周病の始まりです。
歯周病を放置すると細菌や毒性物質が歯肉の毛細血管から全身に拡散します。
米国の報告では歯磨き停止実験に参加した健康な若者50 名のうち56 %が歯周病による内毒素血症(細菌毒素LPSが血液から検出される病態)を起こしますが、これはその後の歯磨きにより回復します。
口腔の細菌や毒性物質が最初に到着するのは心臓と肺です。
血液培養で細菌が検出される病態である菌血症が発症している人にウイルスが感染すると混合感染による肺炎のリスクが高くなります。
また、細菌を含む唾液を誤曝することも二次的細菌性肺炎のリスクになります。
混合感染の治療では、抗生物質の投与が必要ですが、副作用として腸内細菌叢による腸管防御力が低下するのは避けられません。そのときに唾液中の細菌(クレブシェラ菌)が腸に入ると腸管免疫系の変調を招きます。
以上をまとめますと、口の中の細菌や毒性物質は、循環器、呼吸器、消化器の3 方向へ拡散し、ほぼすべての臓器に慢性炎症と免疫異常を起こします。
平時ではそれが糖尿病など生活習慣病のリスクですが、緊急時では敗血症のリスクになります。
そこで、市民の皆様が口腔清掃の重要性を理解し、口腔細菌が心臓や肺など重要臓器へ感染する異所性感染を防ぐことが大切です。
アジアの玄関口である福岡ではウイルス感染予防とと

もに呼吸器感染症の発症と重症化を予防する市民の健康づくりが求められます。
口腔清掃の徹底でウイルスに負けないアジアの未来を福岡市が作り出すことを切に願っております。
(花田信弘:鶴見大学歯学部教授、元国立感染症研究所口腔科学部長、福岡市出身)」

もう少し付け加えたいことがあるのですが、紙面の都合で来月またご紹介します。
今後も様々な情報をお知らせしてまいりますので、ホームページやLINEをチェックなさってくださいね。


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